W杯ジャンプ女子第6戦(2017年1月8日ドイツ・オーベルストドルフ)の
高梨沙羅選手、すごかったですね。
三連勝で今季5勝目、通算では49勝だそうです。
彼女を指導しているトレーナーの話によると、彼女の強さの秘密は
「再現力」にあるとのこと。
理想の動きを体に染み込ませ、寸分の狂いなく何度でも再現できる能力は、
これまで担当したフィギュアスケートの浅田真央選手(中京大)や、
大リーグのドジャース前田健太選手を凌ぐそうです。すごい努力家です。
筋力は決して高くなく、球技をやらせても腕前は人並みだそうですが、
ジャンプとなると「無敵」です。
何故こんな話をしたかというと、この「再現する力」というのは
ランニング等にも通じると思ったのです。
背中を真っすぐ、顎を引いて肩の余計な力を抜く。
腕は抱え込まないようにコンパクトに振る。
骨盤の最適な位置をキープする。
荷重移動は斜めでなく真っすぐ前に。そのために爪先は前に向ける。
他にも留意することはあるのですが、これらを
無駄な動き、余計な力を使うことなく効率的に走ることができるのです。
そんなこと分かってるよ、なんて声が聞こえてきそうですが、
実際にトレーニングしている人を見ると、追い込んだ練習などでは
正しいフォームが維持できていないことが殆どです。
いくら追い込んだとしてもそれでは練習の効果はないと言っていいでしょう。
理想のフォーム、正しい荷重移動、これを身体に染み込ませ、
何も考えなくても正しく動くように何度でも「再現」できるようにする。
そしてそのための筋力をつける。これがトレーニングです。
「無駄」な動き、「余計」な力。必要ありますか?
自己満足で派手にドタバタ動き、汗だくで荒い息しているのを否定はしませんが
それは単なる「運動」で、「スポーツ」ではないかもしれません。
身体を使い、ある地点から他の地点まで、如何に効率的に移動するか。
そのためにどんなトレーニングをするのか。
それを追求するのが「スポーツ」であると思います。
「再現力」、一部の人間が元々持ち合わせた才能だろう、と思いましたか?
高梨選手だけではありません。一流と言われるアスリートほど、
気の遠くなるような地道な練習を積み重ねているのです。
「意識」した動きが、「無意識」にできるようになるまで。
基礎練習って大切だなあ、とつくづく思います。
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