いまだに、「重いトレーニングシューズは初心者用、軽いランニングシューズは上級者用」と勘違いしている
ランナーが少なくないようです。
ですが、その認識は間違っています。トレーニングシューズは「基本のランニング用シューズ」です。
「キロ6分で走るランシューズ」ではなく「キロ6分でも走れるランシューズ」と認識して下さい。
ランナーなら誰でも持っているべきもの。練習方法等に迷っても、いつでもそこに戻れる「基本」なのです。
重いトレーニング用シューズが初心者にも向いているのは確かです。シューズの重さが、足先に付けた「振り子の
重り」となってくれるので、キレイな足のフォームを作る手助けをしてくれます。
しかしながら、自称中級者以上の方がこの重さをコントロールできないというなら筋力不足ですし、
足がフラフラしてフォームが安定しないというのなら、これもやはりトレーニングシューズに戻るべきでしょう。
トレーニングシューズの基本はモーションコントロールです。足の動きを制御することで身体のバランスを
維持させることです。
まず、しっかりしたヒールカウンター。これにより足の基準が明確になります。
硬い中足部のシャンク。これによりモーションコントロールが可能になります。最近のシューズはソール幅を
広げることでこの機能を持たせている傾向がありますね。体軸とインナーマッスルにも刺激が入ります。
その基本シューズの他に目的に合ったシューズ(スピードトレーニング用、リカバリー用など)を買い増しして
いくのがランナーの正道です。
もしお金を掛けたくないと言うなら、それはもうトレーニングシューズだけで良いのです。
ちゃんと意識しなければ、人間は楽な方へ逃げます。練習後にシューズをしっかり履いている人にはケガや故障がありません。
シューズの使い方を意識しましょう。普段からの考え方がライバルとの差をつけるのです。
ハーフマラソンぐらいでしたら初心者の方でもレーシングモデルなどを試していいと思います。
しかし、軽いフニャフニャシューズでジョグを続けると故障のリスクが高くなります。
駅伝アスリートなどシリアスランナーがジョグをレーシングモデル履いてしかも4'30"/kmぐらいの速度で走ってしまうことがあります。
強い筋肉を持っているアスリートは、実はゆっくり走るのが苦手です。意識しなければ、走りやすい(楽な)スピードで走ってしまうのです。
しかも、いつでも同じ使いやすく強い筋肉ばかりで走るので、そこにストレス・疲労がたまりやすくなります。
そんな時こそ重いトレーニングシューズでゆっくり走ることでインナーマッスルを使える筋肉として
脳に認識・学習させ、強い筋肉をより有効に活用できるよう身体を調整すれば、よりトレーニングの効果が
上がります。
LSDをキロ6分~7分の「ペース走」と考え、「走りにくい」速度での練習を取り入れてみて下さい。
目を背けていた、自分のウイークポイント(弱点)が見えてきます。それが貴方の伸びしろです。
速い人でもLSD練習を大切にしている人はこれを知っています。